宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 140日目

旅の140日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、漂流船で発見されたあの透明なケース――そして中にいた“存在”について、ゼインたち技術班が解析作業を進めた。外側の素材は僕らの技術では再現不可能な複合樹脂。しかも内側は完全な無菌状態を保っていて、生体保護というよりは「封印」だと表現するほうが近い。

内部にいた人物(と呼んでいいのかもまだわからない)は、骨格構造的に確かにヒトに似ている。けど、脳の比率や、呼吸器官の構造が微妙に異なっていて――たとえば、酸素濃度が低い環境でも活動できるような造りに見える。

ミラは「この人がゼオフォスに住んでいたら、適応して生きていけたのかもしれないね」と呟いていた。思わず「その“人”は今も生きてるのかもしれないよ」と返してしまった。
……でも、実際にそれが冗談だと言い切れないのが怖いところだ。

エリスは古代データとの照合をしてくれているけど、似たような記録は見つからない。となると、この漂流船は――人類が知らない別の文明、あるいは、僕らとは違う分岐を辿った“もうひとつの人類”の可能性がある。

もしそうなら、これまで僕たちが信じてきた進化や歴史の流れそのものが、再定義されることになる。あのケースが開いたとき、それが明らかになるのか――それとも、さらに深い謎へ踏み込むことになるのか。

明日、ケースを開けるかどうかの最終判断が下される予定だ。
この数ヶ月の航海で、いくつも難しい決断があったけれど、明日はその中でも最も重い1日になるかもしれない。

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