宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 175日目

旅の175日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は一日を通して漂流船からの影響を重点的に監視した。昨日の電磁揺らぎが偶然でないとすれば、今後も同じような現象が起こるはずだ。外部センサーと船内モニターを強化し、常時観測が行われている。

午前中の記録を見直すと、微弱ながら同じ周波数帯の波が断続的に出ていた。アラームが鳴るほど大きくはなかったが、規則性を持って繰り返されている。応答パターンに含まれていた周期と近い値であることが確認され、ますます「呼びかけ」である可能性が高まっている。

作業の合間、ふと考えた。この現象は本当に“外部”から来ているのだろうか。もしかすると漂流船だけでなく、僕たち自身――ノア・アルカ号そのものに向けられているのではないか。数列のやり取りから始まったこの対話は、今や船全体を巻き込む段階に進みつつあるのかもしれない。

夜になってようやく一息ついた。窓から見える星々は何も変わらないのに、心の中では確実に変化が進んでいる。この旅は、ただ新しい母星を探すだけのものではなくなりつつあるように思う。

明日は、あの信号を「返答」としてどう受け止めるかを正式に決める会議が開かれる。

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