宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 169日目

旅の169日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、次の信号パターンを決めるための会議が開かれた。結論としては、慎重さを保ちながら「五回」の信号を送ることに決まった。理由は単純で、相手が数列を理解しているかどうかを確認するには、最もわかりやすい方法だからだ。

準備そのものは難しくない。だが、その一回の送信が持つ意味は大きい。もし応答が「五」で返ってくれば、対話が成立していると断言できる。逆に違う形が返ってきた場合、それをどう解釈するかで議論はさらに深まるだろう。

午後は、送信装置と記録系のチェックを入念に行った。船内全体に漂う静けさの中で、誰もが明日の実験に意識を集中させているのが伝わってくる。ここまで来ると、もう「作業」というより、未知との境界に触れる儀式のようだ。

夜、窓辺に立って星を見ていた。光の点はただそこにあり、何千年も同じリズムで輝き続けている。それを僕たちは「星」と呼び、「距離」や「時間」で測る。でももしかすると、それらもまた、ずっと前から何かを伝えようとしていたのかもしれない。

明日、僕たちは「五」を差し出す。
それが単なる数字なのか、それとも初めての“言葉”になるのか。結果はわからないが、その瞬間をしっかり見届けたい。

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