宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 167日目

旅の167日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は予定通り、「数」を使った最初の実験を行った。
単純なパターンとして、短い信号を一回、二回、三回と段階的に送り、それぞれの後に休止を置く。もし応答があれば、相手が拍数を理解しているかどうかが分かるはずだ。

最初の一回には変化がなかった。
二回目、球体の表面にわずかな発光が二度返ってきた。
そして三回目――こちらの信号を模倣したのちに、四度目の光が追加された。

偶然かもしれない。けれど、そこに「続き」を示す意図があるように見えた。応答を見た瞬間、胸の奥が冷たく震えるような感覚を覚えた。まるで、こちらの差し出した問いに対して「分かる」と返されたように。

今日の記録は保存され、これからさらに慎重に解析されるだろう。意味を断定するには早すぎるが、確かに昨日よりも一歩前に進んだ。

夜、ひとりで植物区画を歩いた。芽吹いたばかりの葉の数を数えると、自然と心が落ち着く。宇宙の奥で未知の存在と数を交わし、ここでは緑の数を数える。不思議な対比だけど、どちらも「生きている証」に思えた。

明日は、この新しい応答を踏まえ、次の段階へどう進めるかが議論される予定だ。

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