宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 243日目

旅の243日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

セリナの大気データ解析がほぼ完了した。
酸素濃度はやや低いものの、局地的には呼吸可能な区域も確認された。
この結果を受けて、着陸チームの編成が正式に発表された。
僕は環境維持ユニットの代表として、地表観測班に同行することになった。
初の地上踏査――胸の奥が静かに高鳴っている。

船内では明日に向けた最終調整が進んでいる。
メカ・ヒューマンズたちは降下装備の検証を繰り返し、
バイオ・ヒューマンズたちは植物用の培地を準備していた。
誰も口には出さないが、船内の空気には期待と緊張が入り混じっている。
長い旅路の果てに、ようやく“地”を踏むのだから当然だ。

アビスは今日も静かにしていた。
ただ、セリナの映像を映したスクリーンの前に立つと、
彼の球体が淡く光を放ち、規則的に鼓動するように脈打った。
それはもはや不安定な反応ではない――落ち着いた、安定したリズム。
まるで、あの星を前にして“安心”しているようだった。

夜、観測窓に映るセリナは昨日よりも大きく、
その青緑の縁が、ゆっくりと揺らめくように輝いていた。
僕たちはこの星に何を見つけるのだろう。
新しい未来か、それともまた別の謎か。

――明日、降下艇が発進する。
旅の終点が、次の始まりになる予感がしている。

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よくchatGPTで遊んでいます。
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