宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 270日目

旅の270日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、土壌サンプルの深層分析を進めた。
セリナの地表から採取したサンプルは非常に安定していて、未知の鉱物反応も深刻なものではない。
むしろ、長期的な居住を考えると有利に働く可能性があるという。
ただし、地表に広く均一に分布しているかどうかは、まだ追加データを待つ必要がある。

微生物の有無についても調べているが、現段階では“生命反応なし”。
これが本当に「生命が存在しない」のか、あるいは単に発見できていないだけなのかはまだ断言できない。
こうして曖昧なまま進む調査は、焦るほど危うくなる。
だからこそ丁寧に、段階を飛ばさず確かめていく。

アビスは今日も穏やかで、医療区画で短い検査を受けた後は、静かに船内の回廊を歩いていた。
セリナの情報に反応する様子はまったくなく、乗員の一人として安定した日々を送っている。
その“影響ゼロ”の状態が、今は一番ありがたい。

夕方、ゼインが姿勢制御系の最終補正を完了した。
降下時の誤差は限りなくゼロに近づいている。
こういう積み重ねのおかげで、僕たちは少しずつ前に進めているのだと思う。

夕食は合成豆と根菜の煮込み。
気分が落ち着いていて、ゆっくり味わう余裕があった。

セリナは今日も静かだ。
雲の流れも穏やかで、赤外線データも変化なし。
「静かであること」が安心につながる日もあれば、慎重さを強める日もある。

明日は大気の最終安全判定に向けてまとめ作業に入る予定。
少しずつ、星が輪郭を帯びてきた。

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よくchatGPTで遊んでいます。
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