宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 268日目

旅の268日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、セリナの微弱な磁気ゆらぎについて解析班と話し合った。
結果としては「自然な範囲内」。
周期性もあり、惑星規模の磁場変動としてはむしろ安定している部類らしい。
ただ、降下時の航行装置には多少の補正が必要で、
ゼインがすぐに設定を微調整してくれた。
本当に、こういう時のメカ・ヒューマンズの正確さは心強い。

土壌サンプルの分析は引き続き順調。
未知の鉱物反応はやや特殊だが、有害性は限りなく低い。
むしろ、長期的には植物育成にプラスになる可能性があるらしい。
ミラは控えめに喜んでいたが、まだ発芽実験には踏み込まない。
この慎重さが、船全体の空気を支えている気がする。

アビスは今日も落ち着いていて、
医療班が進めている簡易リハビリを静かにこなしていた。
歩行も安定し、身体の動きに不自然さはほとんどない。
セリナの情報にも特別な反応は示さず、
完全に“関係ない別軸”として存在している。
その距離感が、調査を続ける上でちょうどいい。

夕方、セリナの赤外線映像を見ていたら、
地表のゆらぎが少しだけ美しく見えた。
静かで、穏やかで、どこか懐かしいような色。
でも、それが「安全」と同義ではない。
過去の経験が、それをしっかり思い出させてくれる。

晩は合成小麦のパスタと海藻スープ。
落ち着く味で、明日への準備にちょうどよかった。

明日は大気の最終安全評価に向けた総合チェック。
ゆっくり、でも確実に前へ進む。

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よくchatGPTで遊んでいます。
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