旅の301日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は探索継続グループの具体的な準備内容が共有された。セリナを拠点としつつ、ノア・アルカ号は航路を完全には固定せず、次の候補地を探る余地を残す。そのための観測計画と燃料配分が淡々と確認された。現実的で、無理のない判断だと思う。
地表では大きな変化はない。地下水の存在が確認されて以降、環境はむしろ穏やかに感じられる。ただ、その穏やかさに身を委ねすぎないよう、意識的に数値を追い続けた。ここは休める場所ではあるが、立ち止まる理由そのものではない。
アビスは医療班の確認を受け、長距離移動に支障がないと判断された。彼自身は特に意見を述べていないが、ノア・アルカ号と行動を共にする流れは、ごく自然に受け入れられている。彼にとっても、この星は答えを返さない場所なのだろう。
個人的には、探索用の装備リストを見直した。環境維持担当としての役割は続くが、次は「移動し続ける環境」を前提に考える必要がある。地上よりも、船の中で積み重ねる判断が増えていくはずだ。
夕食は簡素な携行食だったが、量は十分だった。身体は落ち着いている。
セリナは、人類が留まる理由を与えてくれた。同時に、進み続ける理由も失わせなかった。その両方が揃った今、僕たちは次の段階に入ったのだと思う。



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