旅の350日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は地球からの通信が届いた。
こちらが居住ブロックを切り離した報告に対する正式な返信だ。
内容は概ね承認。
セリナを「長期中継拠点」として運用する方針に異論はなく、補充物資と人員再編の検討に入るとのことだった。
ただし、詳細なスケジュールは次便で改めて通知するという。
通信のタイムラグを経て届いた言葉は、少し過去からの声のようにも感じる。
それでも、地球がまだ確かに存在し、判断を重ねているという事実は、静かな安心をもたらした。
兄がその星にいることも、改めて意識した。
地下水と植物区画のデータも併せて送信した。
地球側の解析チームから、微量成分の長期推移について共同分析を提案する文面があった。
セリナは実験場としての役割も担い始めている。
居住ブロックの各系統は引き続き安定している。
分離から十日が経過し、この空間は完全に拠点として機能している。
夕食は温かいスープ。今日は少しだけ味がはっきりと感じられた。
地球からの返答を受け、拠点としての位置づけはより明確になった。
セリナは通過点でありながら、確かな足場でもある。
その上に立ち、次の航行を見据える段階に入ったのだと思う。



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