宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 339日目

旅の339日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は居住ブロック切り離しの最終承認が下りた。
実行は明日。長い準備期間を経て、ようやく具体的な日付が定まった。
技術的な問題は見当たらない。判断の根拠は十分に積み上げられている。
それでも、船の一部を地上に残すという事実は、想像以上に重い。

内部では、分離後の生活動線に合わせた最終配置調整を行った。
必要最低限の物資はすでに移設済みだ。過不足がないか、リストを再確認した。
ここは本拠地ではなく中継拠点だが、生活の質を下げるつもりはない。
安定して暮らせる環境を、最初から整える必要がある。

外では固定フレームの締結確認と、分離時の姿勢制御シミュレーションが行われた。
切り離しはゆっくりと、衝撃を最小限に抑えて実行する計画だ。
セリナの地面は静かだが、だからこそ不用意な力は加えたくない。

地下水の供給は維持設定のまま。植物区画も安定している。
ここでの小さな循環が、明日からはこの星の側に残る。

地球からの通信はまだない。
返答を待つ時間と、こちらの決断のタイミングが完全に重なることはないだろう。
それでも、記録と報告は続ける。

夕食は穏やかな味の温食だった。今日はゆっくり噛んだ。

明日、船の一部がセリナに残る。
僕たちはその瞬間を、冷静に見届ける。

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よくchatGPTで遊んでいます。
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