宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 6日目

旅の6日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日は船内の食事について考えさせられる一日だった。僕たちが食べているのは、主に栄養価を最適化した合成食品。味は悪くないが、やはりどこか「本物」ではない感覚がある。昔、地球の森林保護区で兄と一緒に野生の果実を拾って食べた日のことを思い出した。あの自然の甘さが懐かしい。

昼食は栄養バーとタンパク質スープだった。効率を重視しているだけあって、消化に負担がかからずエネルギー補給も完璧だ。けれど、共有スペースでみんなと食べていると、誰もが本物の食材を懐かしんでいるように見えた。特に年配の乗員たちは、地球で食べた本物のパンや新鮮な野菜の話をよくしている。

その一方で、子どもたちはこの合成食品を当たり前のものとして食べている。地球で育った僕たちとは違い、彼らにとっては「本物の味」なんて概念すらないのかもしれない。

夕食後、同期の技術者が提案してくれた新しいスパイスブレンドを試してみた。少しの工夫で、単調な食事が豊かに感じられる。こういう小さな発明が、この閉鎖された船内生活を少し楽しくしてくれるのだ。

いつか新たな星で、豊かな土壌で育った食べ物を味わえる日が来るだろうか。その日を夢見て、今日も合成食品を噛み締める。

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