旅の21日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は船内で初めての正式な休日だった。普段の緊張感から解放され、乗員たちの間には少し穏やかな空気が流れていた。僕も環境維持ユニットの点検を最小限に抑え、久しぶりに自分の時間を持つことができた。
午前中は共有スペースで開かれた簡単なレクリエーションに参加した。バイオ・ヒューマンズのミラが持ち込んだカードゲームは、地球の古い遊びを基にしたものだった。シンプルだけど、みんなで楽しむには十分だった。メカ・ヒューマンズのゼインも不器用な手でカードを扱いながら、意外に勝ち続けていたのが印象的だった。
昼にはニューヒューマンズのエリスが、地球の昔の音楽を再現した音源を流してくれた。静かで心に染みる旋律に、みんながしばらく無言で耳を傾けていた。その音楽を聞いていると、まるで地球に戻ったような気分になった。
午後は自分の船室で少し本を読んだ。船内のデータベースには膨大な地球の記録が保存されているが、今日は自然に関する記述を探してみた。そこには、僕が子どもの頃に見たような森林や川の描写があり、懐かしさで胸がいっぱいになった。
夜、再び共有スペースに行くと、誰かが星を見ながら将来の夢を語っていた。「新しい星で、地球みたいな夕日を見たい」という言葉に、みんながうなずいていた。僕も心の中で同意しながら、明日への力を少しだけもらえた気がする。
休日とはいえ、こうして希望を共有できる時間が、旅の中で何よりの支えになる。今日はゆっくり眠れそうだ。
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