宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　19日目

旅の19日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日はニューヒューマンズの乗員と話す機会があった。彼らは、遺伝子操作や技術融合を経たバイオ・ヒューマンズやメカ・ヒューマンズとは異なり、地球の知識と文化を継承することに特化した存在だ。そのため、彼らの役割は非常に重要だとされている。

ニューヒューマンズの一人、エリスと話していて印象的だったのは、彼女が地球の文化に対する深い理解を持っていることだった。彼女はデータベースから復元された古代の本や音楽、建築について熱心に語っていた。「新しい星に着いたら、まず図書館を作りたい」と笑う彼女の姿は、どこか懐かしくもあり頼もしかった。

ニューヒューマンズの存在は、僕たちの旅にとって欠かせない。彼らが未来に地球の記憶を持ち込むことで、ただの移住ではなく「継承」が成り立つのだと思う。でも、彼ら自身の存在には葛藤もあるらしい。エリスは「私たちは過去を守るために作られた。でも、時々それが未来の重荷になっている気がする」とつぶやいた。

夜、彼女の言葉を思い返していた。過去を抱えることは時に重く感じるかもしれない。でも、過去を知ることで未来をより豊かにできるのではないだろうか。ニューヒューマンズの努力は、きっと僕たちが新しい星で生きるための指針となるはずだ。

窓の外に輝く星々を見ながら、エリスが語った「未来の図書館」を想像した。そこには、地球の記憶が静かに息づいているのだろう。そんな未来が訪れる日を信じて、今日を終える。