宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　25日目

旅の25日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日は船内でちょっとした議論が起きた。新しい星に着いたとき、どのような社会を築くべきかについて意見が交わされたのだ。バイオ・ヒューマンズ、メカ・ヒューマンズ、そして僕たちニュー・ヒューマンズ――それぞれが異なる考えや価値観を持っているため、話はなかなかまとまらなかった。

バイオ・ヒューマンズのミラは「自然と共存する社会を目指したい」と主張した。彼女たちは地球の荒廃を目の当たりにしているからこそ、次の星では環境を守ることを最優先に考えている。

一方で、メカ・ヒューマンズのゼインは「効率的な社会構造が必要だ」と言った。彼らにとっては技術を最大限に活用することが、生存を確保する唯一の方法だと考えているらしい。その言葉には、彼らの進化の経緯が反映されている。

ニューヒューマンズのエリスは、「地球の歴史を学び、それを反映させる社会を築くべき」と主張した。彼女たちの使命は過去と未来を繋ぐことだから、その意見には深い説得力があった。

僕はみんなの意見を聞きながら、この多様性こそが新しい未来を作る力になるのではないかと感じた。意見が違うこと自体は悪いことではない。それをどう共存させるかが、僕たちの課題だ。

夜、静かになった船内を歩きながら、僕たちが新しい星でどんな社会を築けるのかを考えた。答えはまだ出ないけれど、この議論自体が未来への大切な一歩だと思う。そして、僕もその一部として、この旅を続けていくつもりだ。