旅の98日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日、ついに艦長が決断を下した。
封鎖区域の制御がこちら側に残されているうちに、限定的な開放を試みる。完全に扉を開くのではなく、小規模なドローンを送り込み、内部の状況を確認することになった。
正直、これが最善の策なのかは分からない。でも、もう待つだけではいられない状況になっているのも事実だ。
ゼインは慎重にドローンを調整し、探査に耐えられるようにセンサーを強化した。カイは「結局こうなると思ってた」と苦笑しながらも、警備チームの準備を進めていた。
ミラは植物ユニットで作業していたけど、今日の彼女はどこか考え込んでいるようだった。「開けたら、何が待ってるんだろうね」と小さく呟いていたのが印象的だった。
僕自身も、不安がないわけじゃない。この旅が始まって以来、ここまで”未知の存在”を目の前にしたことはなかった。僕たちはこれまで、地球を離れ、新たな星を探すことだけを考えてきた。でも今、目の前には過去の遺物なのか、それともまだ息づくものなのか分からない存在がある。
それに対して、僕たちはどう向き合うべきなのか。
今夜は眠れそうにない。明日、ドローンの投入が実行される。
これが、僕たちにとって新たな発見の日になるのか、それとも後戻りできない一歩になるのか——。
答えは、もうすぐ出る。
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