宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　5日目

旅の5日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日の朝、船内アラームが一時的に作動した。酸素濃度のセンサーに誤差が生じたらしい。すぐに調査を開始し、センサー自体の不具合だと判明。技術チームと連携して交換を終えた。こうしたトラブルは小さく見えるが、放置すれば致命的な問題に繋がる。冷静に対処できたことに少しだけ安心した。

午後には、船内のエンジニアたちと共有スペースで顔を合わせた。彼らが改良中の新しい再生水システムの話を聞く。宇宙では一滴の水も貴重だ。彼らの努力のおかげで、この船の命が支えられていることを改めて実感する。

夜には、兄のことを思い出していた。地下シェルターで生き延びる術を教えてくれた兄は、結局、地球に残る選択をした。僕だけがこの船に乗り、ここにいる。新たな星にたどり着いたら、兄が見たかった未来を僕が証明しなければならない。

窓越しに星々を見つめる。あの遠くの光が、僕たちの行き先を示している気がしてならない。