旅の7日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日で旅立ってから一週間が経った。宇宙船での生活にも少しずつ慣れてきたが、単調な日々が心にじわじわと影響しているのを感じる。船内の仕事は規則的で、環境維持ユニットの管理も問題なし。それでも、どこか緊張感が抜けない。
昼間、植物を育てている居住区の一角を訪れた。小さな芽が少しずつ成長していて、乗員たちが喜びながら水をやっている姿が印象的だった。たったひとつの緑が、こんなにも心を癒してくれるものなのか。地球では見慣れた光景だったけれど、今は宝石のように貴重に感じる。
共有スペースでは、乗員の一人が古い地球の歌を口ずさんでいた。少しずつ周りの人たちも加わり、小さな合唱が始まった。無重力の船内で響くその音は、不思議と温かくて、地球にいたころの記憶を呼び起こした。
夜、窓から見た星は、いつも以上に遠く感じた。でも同時に、その向こうに何か素晴らしい未来が待っていると信じられる日でもあった。船内の誰もがその希望を胸に、この旅を続けているのだと思う。僕もその一人だ。
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