旅の12日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日の朝、船内の気温が微妙に変化していることに気づいた。センサーの確認をしたところ、循環システムの微調整が必要だったらしい。環境維持ユニットの担当として、こういった変化に敏感でいなければならない。作業を終えた後は、いつも通り問題なく稼働しているのを確認できた。
午後には、ゼインが新しいプロジェクトを提案してきた。船内の無重力エリアに小型の運動スペースを作る計画だ。メカ・ヒューマンズの彼にとっては無重力環境は特に問題ではないが、他の乗員には適度な運動が必要だという。確かに、船内生活が続けば体力も気力も消耗してしまう。僕も協力することにした。
その後、共有スペースではバイオ・ヒューマンズの乗員たちが何かを集めて作っていた。近づいてみると、紙で作った小さな植物の模型だった。「この船に少しでも自然を感じられるものを」と、彼らは笑って言った。地球の植物に似せたその模型は簡素だけれど、どこか温かさがあった。
夜、窓の外を眺めながらその植物の模型を思い返した。どんなに厳しい環境でも、人間は希望を形にする力を持っている。それが僕たちを前へ進ませる原動力なのだろう。新しい星にたどり着いたとき、きっとその力が未来を築いてくれるはずだ。
コメント