旅の13日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は少し不安定な一日だった。午前中、エネルギーシステムに一時的な負荷がかかり、一部の照明が点滅した。すぐにメカ・ヒューマンズのゼインが対応してくれたおかげで大事には至らなかったが、船内の緊張感は高まっていた。宇宙では、些細な不具合が命を脅かすことを改めて実感する。
午後には、環境維持ユニットのシステムを念入りにチェックした。こういうときほど、自分の担当が生命線であることを重く感じる。特に水の再生システムは完全に正常だったが、念のためフィルターを交換しておいた。小さな手間が、全体の安心感を作る。
夕方、共有スペースでは珍しく人が少なかった。みんな疲れていたのだろう。僕も短い休憩を取りながら、窓の外に見える遠い星々を眺めていた。あの星たちの中に、僕たちの新しい家があるのだろうか?ふとそんな考えが頭をよぎる。
夜には、ミラが声をかけてくれた。彼女は「こういう日こそ、何か楽しい話をしたほうがいい」と言って、小さな花がさらに大きく開いたことを教えてくれた。その花は、僕たちの船内生活の中で唯一の「命」と呼べるものだ。見ているだけで少し心が落ち着いた。
不安は消えない。でも、この花のように、小さな希望を育てながら進んでいくしかないのだと思う。どんな困難があっても。
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