宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　23日目

旅の23日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日は、船内にわずかな異音が報告され、その調査に追われる一日だった。原因はエネルギー配線のわずかな緩みで、大きな問題にはならなかったものの、再び宇宙船の繊細さを思い知らされた。ゼインを含むメカ・ヒューマンズのチームが迅速に修理を進めてくれたおかげで、予定よりも早く完了した。

作業が終わると、共有スペースでバイオ・ヒューマンズのミラが小さな植物を持ってきていた。新しく芽吹いたその植物は、彼女が「生きる力の象徴」と呼ぶものだった。宇宙船という閉ざされた環境の中で、植物が育つというのは本当に不思議で、希望を感じさせる。

ニューヒューマンズのエリスもその場にいて、地球の植物に関する古い詩を朗読してくれた。言葉一つ一つが静かに心に染みていき、周囲の雰囲気を和らげてくれた。彼女の持つ地球の記憶は、こうして僕たちに生きる力を与えてくれる。

夜、ゼインと話していたとき、彼が「こうやって問題が解決していくのを見てると、俺たちはやれる気がする」と言った。その言葉に、僕も少し救われた気がした。日々の困難を乗り越えるたびに、僕たちは少しずつ強くなっているのだろう。

今日もまた、小さな前進を感じる一日だった。旅はまだ続くが、その先にはきっと大きな未来が待っていると信じている。