旅の24日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は、宇宙船の外壁をチェックするためにドローンの操作を行った。船外活動が直接必要になるほどの問題はなかったけれど、定期的な点検は欠かせない。ドローンが撮影した映像には、船体にわずかな微粒子の痕跡が映っていた。宇宙の塵がこれほどの速度で当たると、その衝撃は意外と大きい。改めて、僕たちを守る船の重要性を実感した。
昼過ぎ、ミラが新しい植物の手入れをしているのを見かけた。今回は宇宙での育成に向けて特化した耐久性の高い植物らしい。「これが新しい星で環境を整える助けになるかもしれない」と彼女は言った。そんな彼女の努力が、この船に小さな希望の種を蒔いている。
午後にはニューヒューマンズのエリスが、地球の歴史に残る「絶滅危機を乗り越えた種」について話してくれた。彼女は「地球の生命はしぶといわ」と笑っていたが、その言葉には深い意味が込められていた。僕たち人類もまた、そのしぶとさの象徴でありたいと思った。
夜、船内は静かだった。星々がいつもより鮮明に見えた気がする。窓越しに広がる無限の闇とその中に輝く光を眺めながら、僕たちの旅の意味を考えた。生き残るだけでなく、次の星で新しい未来を作り上げる。それがこの旅の目標だ。
そしてその未来を守るために、僕たちは今、ここでできることを続けている。今日もまた、小さな一歩を進めた日だった。
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