旅の26日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は、船内でインテレクト・エヴォリューション(IE-500)のバイオ・ヒューマンズ、メンティスと話す機会があった。彼らは、一目見ただけでその独特な存在感が分かる。大きく発達した頭部と華奢な体つきが印象的で、彼らが知能に特化した進化を遂げた人類だということを自然と理解させる。
メンティスは静かな口調で、自分たちの使命について語ってくれた。「私たちは、宇宙の真理を探求するために存在しています」と。彼らの知識欲と精神的な集中力は驚くべきものだった。特に、彼らが持つ高度な知覚能力には圧倒された。言葉を多く交わさずとも、彼らがこちらの思考や感情を読み取っているように感じた。
彼らは肉体的な能力がほとんどないことを認めているが、それを嘆く様子は全くなかった。「私たちにとって重要なのは、物理的な力ではなく、知識と精神の拡張です」と言い切るその姿には、揺るぎない誇りがあった。
メンティスとの会話の中で、彼が語った未来の構想が印象的だった。彼らは新たな星で、精神的な活動を中心とした知的社会を築きたいと考えているという。「肉体を使わずとも、私たちは宇宙を感じ、解明する方法を知っています」と彼は言った。その言葉には、僕たちのような種族がまだ到達していない次元の考え方が垣間見えた。
夜、彼らの言葉を思い返しながら窓の外を見ていた。僕たち人類は、それぞれ異なる形で未来を追求している。メンティスのような存在がいるからこそ、この旅の意味がより深まるように感じた。新しい星では、彼らがどのような知的進化を遂げるのか、僕自身も見届けたいと思う。
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