旅の32日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日、エリスが地球の2000年代の日本について調べていた。それをきっかけに、共有スペースでいくつかの古い映像が上映された。映像には、緑豊かな田園風景や活気ある都市の夜景が映し出されていて、そのコントラストがとても美しかった。
特に印象的だったのは、日本の四季の映像だった。春の桜が満開の公園、夏の青々とした田んぼ、秋の紅葉、そして冬の雪景色。それぞれが地球の豊かな自然を象徴しているようで、見ているだけで胸が熱くなった。僕たちが今いる宇宙船には、四季を感じる要素はないからこそ、映像を通して四季の美しさを改めて思い知らされた。
エリスが「日本では、自然と人の文化が一体となっていた」と教えてくれた。たとえば、春には花見、秋には紅葉狩りなど、自然を愛でる行事がたくさんあったという。その話を聞いて、地球の人々が自然と共存しながら暮らしていたことに改めて感銘を受けた。
ミラは、「新しい星でも、こういう文化を作りたい」と言った。彼女が育てている植物たちが、新しい星でどのように景色を作るのか想像するだけで、少し希望が湧いてきた。
夜、窓の外を見ながら考えた。2000年代の日本にあったような四季や文化を、僕たちは新しい星で取り戻すことができるのだろうか。その答えはまだわからない。でも、目指す未来にそうしたものがあると信じるだけで、明日もまた一歩を進める力になる。
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