旅の41日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は環境維持ユニットの定期点検が早めに終わり、少しゆったりとした時間を過ごすことができた。そのおかげで、船内のいろいろな場所を巡りながら、乗員たちと雑談する機会も多かった。
まず訪れたのは植物ユニット。ミラは新しい種類の植物を育てる準備をしていて、その種が地球で絶滅危機にあった種類だと教えてくれた。「この種が次の星で育つか試してみたいの」と話す彼女の目は未来を見据えて輝いていた。僕も植物ユニットに長くいると、どこか落ち着いた気持ちになる。植物には不思議な癒しの力がある。
その後、共有スペースでゼインに出会った。彼は新しい修理ツールの試作品を見せてくれた。半分冗談めかして「これがあれば、俺たちの仕事がさらに楽になる」と言っていたが、そのデザインはとても工夫されていた。ゼインは効率を求めるばかりかと思っていたけれど、こうして細かい改善を続けているのを見ると、彼が本当に仲間を支えるために努力しているのだと感じる。
エリスとは、今日の午後にまた少し地球の話をした。彼女が取り出したのは、2000年代に使われていたという紙の地図だった。今ではすべてのデータがデジタル化されているけれど、紙に印刷された地図には不思議な温かみがある。「次の星で最初に作るのは、こういう手描きの地図かもしれない」と彼女は笑っていた。その言葉に、僕も新しい星の風景を想像してしまった。
夜にはまた窓越しに星を眺めた。今日の話し合いや交流を思い返しながら、僕たちが一つの船で旅を続けている意味を改めて考えた。僕たちはそれぞれの役割を持ちながら、この船内で小さな未来を築いている。そして、それは次の星での大きな未来に繋がっていくのだろう。
明日もまた、この旅の一歩を進めよう。僕たちはその先にあるものを信じているから。
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