旅の42日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は船内での些細な出来事が、少し特別に感じられる一日だった。
朝、環境維持ユニットの確認作業中に、ライラが様子を見に来てくれた。「アレク、最近ちゃんと休めてる?」と気遣う彼女の言葉に、少し驚いた。自分では気づかないうちに、緊張感を引きずっていたのかもしれない。彼女のように乗員一人ひとりを気にかける存在がいることで、この船内がどれだけ支えられているかを改めて感じた。
昼にはカイ・レンツが「新しい探査計画の練習だ!」と言って、船内を模擬探査ルートに見立てて歩き回っていた。彼のエネルギーは本当に底なしで、どんな状況でも前向きだ。その姿を見るだけで、不安な気持ちが少し軽くなるのだから不思議だ。彼が次の星で探査を行うとき、どんな発見をするのか楽しみだ。
一方、ノヴァは今日も冷静にシステムの監視を続けていた。彼女と少し話をすると、「最近、船内のデータを解析して、各エリアの効率をさらに向上させるプランを考えている」と教えてくれた。合理的で無駄のない彼女の考え方には感心させられるが、彼女なりに乗員たちのために船内環境を整えようとしていることが伝わってきた。
夜、窓越しに星々を眺めながら、船内での小さな交流を振り返っていた。僕たちはまだ新しい星にたどり着いていないけれど、この船内で過ごす時間そのものが、未来を作るための基盤になっているように思う。
僕の役割は小さなものかもしれない。でも、この船の中で育まれる希望やつながりを守ることが、きっと次の星での大きな一歩に繋がるはずだ。明日もまた、この小さな一歩を進めていこう。
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