宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　51日目

旅の51日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日は、地球から届いた最新のニュースが船内で話題になった。その内容は紛争に関するもので、いくつかの地球圏国家が資源の取り合いを巡って深刻な対立を続けているという話だった。僕たちが宇宙で新しい星を目指している間にも、地球では相変わらず人類同士が争っている現実があることに胸が痛んだ。

エリスがそのニュースを共有してくれた後、「地球の歴史を振り返ると、紛争の原因の多くは資源や領土、信念の違いにある」と話していた。彼女は「だからこそ私たちは、地球で繰り返された過ちを次の星では繰り返さないようにしなければならない」と続けた。その言葉は、船内の誰もが深くうなずいて聞いていた。

ミラも植物ユニットでその話を聞いていて、「次の星では、争いではなく自然と共に生きる方法を見つけたい」と静かに語った。彼女が育てている植物は、地球が抱える問題を忘れさせるような平和そのものに見えた。

ゼインは「俺たちメカ・ヒューマンズには、資源を効率的に使う能力がある。だけどそれが、人間同士の争いを完全に止めるわけじゃないんだな」とぼやいていた。彼は冷静だけれど、その言葉にはどこか悔しさが滲んでいた。

夜、窓越しに広がる静かな宇宙を見ながら、地球での争いのことを考えた。僕たちは新しい星を目指して、地球の記憶と文化を未来に継ごうとしている。でも、その未来が争いによって壊されることだけは、絶対に避けなければならない。

この船内では種族の違いや考え方の違いを超えて、僕たちは協力し合っている。その小さな共存の形が、いつか新しい星での平和な社会の礎になればいいと心から願った。争いがなくなる未来を信じて、僕たちは進み続ける必要がある。