旅の57日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日、エリスが「最初のバイオ・ヒューマンズ」について話をしてくれた。彼らは、地球が核戦争や環境破壊によって荒廃した時代に、人類が生き延びるために生み出された存在だったという。その話を聞きながら、僕たちが未来を模索する中で、どれだけの試行錯誤が重ねられてきたのかを考えさせられた。
最初のバイオ・ヒューマンズは、極限環境に適応するために設計された。凍りついた大地や、灼熱の砂漠、放射線に覆われた地球の各地で生存するために、それぞれの環境に特化した遺伝子改良が行われたそうだ。彼らの身体には動物や植物の特性が組み込まれており、その進化は驚くべきものだった。
エリスが語った話の中で印象的だったのは、バイオ・ヒューマンズが初めて海洋に適応した時のことだ。彼らは魚の遺伝子を取り入れ、水中で長時間活動できるようになった。その成果は目覚ましかったが、同時に元の人間の姿から大きく離れてしまったため、当時の社会では受け入れられるまでに多くの時間を要したという。
ミラはその話を聞きながら、「でも彼らがいなければ、私たちは地球の厳しい環境を乗り越えることはできなかったんだよね」と言っていた。彼女自身もバイオ・ヒューマンズとしての誇りを持ちながら、その進化がどう未来に繋がるかを真剣に考えているようだった。
ゼインも少し考え込んだ様子で、「進化って、いつも犠牲を伴うものなんだな」と話していた。彼がメカ・ヒューマンズとしての自分を見つめながら、進化の意味を問いかけているのが伝わってきた。
夜、星を見上げながら最初のバイオ・ヒューマンズのことを考えた。彼らが進化の過程でどれだけの挑戦と葛藤を経験したのか。それがあったからこそ、今の僕たちがあるのだと思うと、彼らの存在がとても尊く感じられた。
新しい星にたどり着いた時、僕たちはまた新たな進化を求められるのかもしれない。だけど、どんな変化があっても、最初のバイオ・ヒューマンズが示してくれた「生き延びる力」を忘れずに持ち続けたいと思った。彼らの物語が未来への道標となることを願いながら、今日の日記を閉じる。
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