旅の58日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は船内で大きな話題が持ち上がった。ついに、新たな惑星候補のデータが公開されたのだ。その星は、地表が比較的安定しているものの、酸素濃度がかなり低い環境であることが判明した。酸素生成システムや呼吸補助装置が必須となる未来が予測されるが、それでも「安定した地表」があるという事実は、僕たちにとって大きな希望だった。
午前中、共有スペースでエリスがデータを詳しく読み込んでいた。「酸素濃度の問題さえ解決できれば、この星は地球に近い自然環境を再現する基盤になり得る」と語っていた。その言葉に、未来への可能性を感じた。
ミラは早速植物ユニットで考えを巡らせていた。「低酸素環境でも育つ植物を優先的に育てる必要があるね」と話し、次の試験栽培に取り掛かる準備を始めていた。彼女が持つ知識と情熱が、この星での緑の再生を導いてくれるに違いない。
ゼインは技術チームとともに、酸素生成システムの拡張案を検討していた。「このシステムを改良すれば、星全体の酸素レベルを上げることも可能かもしれない」と話していて、その冷静な言葉が頼もしかった。彼のような存在がいることで、この挑戦が実現可能に思えてくる。
ライラもまた、新しい環境に適応するための医療や生体調整の準備に入っていた。「低酸素環境は人体にストレスを与えるけど、事前に対策を整えれば安全に移住できる」と語る彼女の言葉には確かな自信があった。
夜、データを見返しながら窓越しに星々を眺めた。この惑星が、僕たちの新しい故郷になるかもしれないという考えに胸が高鳴った。同時に、その環境に適応するためにどれだけの課題があるかも実感した。
それでも、僕たちはこれまで数々の困難を乗り越えてきた。この惑星が僕たちの未来を作る第一歩になると信じて、これからも一歩一歩進んでいきたい。挑戦が待ち受けている未来が少しだけ楽しみに思えた一日だった。
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