宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　80日目

旅の80日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日は久々にライラとじっくり話す機会があった。彼女は医療ユニットで忙しく働いているけれど、ふとした瞬間に乗員たちの心のケアについて深く考えているのが分かる。

彼女曰く、「みんな、長い旅の中で心の中に少しずつ疲れを溜めている。でも、それをどう発散すればいいか分からないみたい」とのことだった。ライラはただ治療をするだけでなく、乗員たちが心を休められるような環境づくりにも注力している。例えば、ストレスを軽減するための短い瞑想の時間を提案したり、共有スペースにリラックスできる香りを漂わせたりしているそうだ。

僕自身も、この長い旅の中で時折息苦しさを感じることがある。だけど、ライラのような存在が船内にいることで、それが軽くなる瞬間もある。彼女の仕事は目立たないけれど、確実に全員の心に響いている。

夕方、ケイトが新しいメニューを試作しているところに立ち寄った。今日は少しスパイシーなスープで、ライラの提案で「疲労回復効果のある栄養素」を意識して作ったらしい。こういう小さな工夫が、旅を少しずつ快適にしてくれる。

夜、船室で窓の外を眺めながら、僕たちの旅がどれほどの支え合いで成り立っているかを改めて感じた。一人ひとりがそれぞれの役割を果たしながら、全員で未来を目指している。この協力があるからこそ、どんな困難も乗り越えられるのだろう。

静かな時間が流れる中、今日は少し心が軽くなった気がする。明日もまた、このチームで一歩を進んでいこうと思う。