旅の82日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は特に大きな出来事はなかった。ただ、船内の空気がどことなく落ち着いていて、皆それぞれの仕事を黙々とこなしていた。こういう何気ない日が、長い旅の中では意外と大事なのかもしれない。
午前中、環境維持ユニットの定期チェックを終えた後、共有スペースで少し休憩した。カイはリハビリの合間に訓練を再開していて、ライラが「無理しすぎないように」と注意していた。彼は「大丈夫、大丈夫」と笑っていたけど、ライラの視線は鋭かった。
ゼインは相変わらず探査ポッドの改良に集中している。「センサーの調整がもう少し必要だけど、いい感じに仕上がりそう」と話していた。彼がどれだけこの仕事に真剣に向き合っているかは、言葉にしなくても伝わってくる。
ミラは植物ユニットで忙しそうにしていた。船内で育てた植物の一部を新しい栽培区画に移動する準備をしているらしい。「この苗がちゃんと育ってくれるといいんだけど」と話しながらも、どこか楽しそうだった。
夜、窓の外をぼんやりと眺めながら、ふと思った。こうやって何も起こらない日があるからこそ、僕たちは前に進めるのかもしれない。今日が穏やかだったことに感謝しながら、少し早めに休むことにする。
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