旅の84日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
アラームが鳴り響いた昨日から一夜明けたが、船内にはまだ緊張感が残っている。ゼインとエリスが電磁波の発生源を特定しようとデータ解析を続けているが、今のところはっきりした答えは出ていない。
ヴィクター艦長は「安易に結論を出さず、慎重に調査を進める」と冷静に指示を出している。こういう時の彼の判断力は本当に頼りになる。カイも「何が原因なのか分からない以上、無駄に騒ぐよりも備えるしかない」と言い、探査チームの装備点検を行っていた。
ライラは「電磁波の影響が人体に及んでいる可能性は今のところない」と報告してくれた。少なくとも直接的な健康被害はなさそうだが、長期的な影響についてはまだ分からないとのことだった。
ミラは植物ユニットのデータを確認していたが、影響はほとんどなさそうだった。「もし何か変化があればすぐに報告する」と言っていたが、彼女の表情にはまだ不安が残っていた。
一方で、ケイトは「こんな時こそ温かい食事が必要」と言って、船内で栄養バランスの良いメニューを考えていた。共有スペースで振る舞われたスープは、確かに少しだけ張り詰めた空気を和らげてくれた気がする。
問題は、電磁波が自然現象なのか、それとも何か他の原因によるものなのかということだ。エリスは「この近くに未知の天体が存在する可能性もある」と言っていたが、まだ調査が必要だという。
夜、窓の外の星々を眺めながら考えた。広大な宇宙の中で、僕たちはほんの小さな船に乗っているに過ぎない。けれど、何か大きなものに引き寄せられているような気もする。
明日も調査が続く。何も問題がなければいいが、慎重に状況を見守るしかない。
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