旅の104日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
また何も変わらない一日だった。
封鎖区域のエネルギー反応は安定したまま。監視システムにも異常はなし。ゼインが定期チェックをしていたけど、「何もないならそれでいい」と言っていた。確かにその通りだ。
それでも、”何もない”ことを確認し続けなければならないという状況が、少しずつ船内に疲労感を生んでいる気がする。封鎖区域に関する話題は減ったけど、それは興味がなくなったからじゃなくて、みんなが無意識に避けているだけなんだろう。
今日はケイトと話をした。彼女は相変わらず食事のメニューを考えることに集中していて、新しいレシピを試していた。こういう日常のことがあると、少しだけ安心する。
ミラの植物も順調に育っている。彼女は、植物が船内の空気を浄化するだけじゃなくて、乗員の精神的な安定にも役立っていると言っていた。確かに、何かを育てることには意味があるんだと思う。
僕たちはこのまま、この”何も変わらない”状況を続けていくのか、それとも——。
……いや、考えすぎるのはやめておこう。
明日も、きっと同じ一日が続く。そう思っておくのが、一番いいのかもしれない。
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