宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 105日目

旅の105日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

状況に進展がない日が続いていたが、今日は自分なりの行動を起こすことにした。

午前中の作業を終えた後、艦長に申請を出し、封鎖区域に関する過去のデータ解析への参加を申し出た。
今の段階で現地調査は中断されているが、情報の整理や見落とされたログの洗い直しであれば、まだできることはある。艦長は短く頷いて許可をくれた。

資料室にこもり、封鎖エリアのエネルギーログや構造記録を確認していた中で、ある一点が気になった。
封鎖システムが初めて起動した瞬間のログに、「外部信号に対する内部応答」という極めて短い記録が残っていた。時間にして約1.6秒。その後、即座に通信は途絶。

エリスの初期報告では触れられていなかったように思うが、単に他のデータに埋もれて見過ごされた可能性もある。彼女に確認をとって、必要であれば再解析を進めるべきだろう。

誰かが扉を開けようとしていたのではなく、向こう側からも何かが応答していた可能性がある。

もちろん、これが重大な手がかりになるとは限らない。だが、少なくとも「封鎖」そのものが一方的な処置ではなかった可能性があることは頭に置いておくべきだと思う。

動機は単純だ。確信もない。ただ、今は少しでも手がかりが欲しい。あの扉の向こうに何があったのかを、自分の手で確かめたい。

慎重に、冷静に進めていくつもりだ。明日はエリスと話をする。必要があれば、ゼインにも協力を仰ぐことになるだろう。

静かだが、確実に一歩進んだ一日だった。

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