宇宙船ノア・アルカ号　乗船日記　113日目

旅の113日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は朝から船内の一部区画で軽い通信障害があった。
ゼインたちがすぐに原因を突き止め、通信ノードの微小な干渉が主因だったと報告。ドローンの映像送信に使っている周波数と被っていたらしい。影響は限定的で大きな問題ではなかったが、神経質な時期だけに慎重さが求められる。

午後、ヴィクター艦長と短く話した。「アレク、お前の冷静さが今の船には必要だ」と言われた。何気ない言葉だったけど、少し胸に残った。誰かの役に立てているなら、まだ前に進める。

新しいドローン映像の整理を進めながら、久しぶりに自分の昔の記録を少し読み返した。地球での最後の日々、弟と過ごしたあの静かな森の記憶。

宇宙は美しく、同時に恐ろしい。
それでも、歩みを止めるつもりはない。

――明日も、できることをする。