旅の115日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
漂流船の調査に大きな進展があった。
今日、外部装甲の一部がドローンによって強制開放され、内部の構造が部分的に明らかになった。機関部はほぼ崩壊していたが、記録装置らしき機材が辛うじて残されていた。ゼインとエリスが中心となって回収・解析を進めている。
そして、回収されたデータの一部から、断片的な座標ログが見つかった。おそらく、その船が元いた恒星系か、遭難地点の記録だと推測されている。
もしこれが確かなら、漂流船の正体だけでなく、かつて同じように移住を目指した存在がいた証拠になる。僕らが「最初の旅人」ではなかった可能性。
息をのむような感覚だった。
未知の知性に出会う前に、まずは過去の旅人の足跡を知ることになりそうだ。
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