宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 119日目

旅の119日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日も漂流船の解析が続いている。ゼインたちは第3隔壁に設けた調査拠点をさらに強化し、簡易的なモジュール型観測室まで設置した。そこから常時モニタリングできるようになったことで、調査は少しだけスムーズになったようだ。

午後にはメンティスが観測データを確認するために訪れた。彼の頭部のセンサーが漂流船の一部に微細な振動信号を感知したという。肉眼や通常の計器では検知できないような極めて小さな動き。原因は不明。生命反応ではないらしいが、それが余計に不気味だった。

俺は、船体外部の腐食状況と構造解析の補助データをまとめる作業を担当した。正直、こういう緊張感のある局面で作業に没頭していると、逆に落ち着く。ルーティンの中に逃げ込む癖が、まだ抜けてないのかもしれない。

夕食はケイトが用意してくれた海藻ベースの温スープと合成穀物のパン。派手ではないが、胃に優しい味だった。ライラがちらっと「最近みんな胃腸に来てるからね」と言っていたのが少し気になった。精神的な緊張と、漂流船の“異様な沈黙”が、どこかじわじわと船内の空気を変えつつあるような気がする。

俺は今夜も観測データの整理を少しだけしてから、休むつもりだ。何かが動いている。それだけは、確かに感じる。

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