宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 127日目

旅の127日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日もドローンによる内部構造解析が続いた。幾何学的な配列領域の中心部付近で、極微弱なエネルギー反応が検出された。反応は安定しており、爆発的な活動ではないが、完全な静止状態とも言い難い。

ゼインの見解では、これは「自己維持用の最低限の電位保持」ではないかとのこと。まるで、この構造全体が眠ったまま呼吸を続けているような印象を受ける。

エリスは引き続き、サンプル素材の内部構造解析を進めている。ナノレベルの自己修復機構も備わっている可能性が高く、情報が失われにくい設計になっているらしい。意図的に何十年、あるいは何百年という漂流を前提に作られたのだろう。

日中、艦長と短く意見交換の機会があった。今後の対応は依然として慎重姿勢を維持する方針だ。調査は続行するが、有人での直接介入は当面行わない。私も、その判断が今は最も賢明だと考えている。

帰路、ふと船内の展望窓から外を見上げた。ゆっくりと流れる星々の中に、漂流船の小さな輪郭が浮かび上がっていた。その存在感は、日に日に大きくなってきている気がする。

未知に触れ続けながらも、今はまだ観察を続ける時期だ。
焦らず、事実だけを一つずつ積み重ねていきたい。

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