旅の136日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
隠された区画の初期調査が本格的に始まった。
ゼインが調整した探査用ドローンが、遮断層を慎重に突破し、未知区画内部の初撮影に成功。映像はまだ荒いが、内部は想定よりも整然としており、単なる保管スペースではなく制御系に近い設備の痕跡が見られる。
内部壁面の一部には、既存の記録層とも異なる材質のパネルが確認された。エリスは、それ自体が新たな情報媒体である可能性を指摘している。
漂流船はやはり「意図的に層構造で情報を隠している」。そして、この未知区画が何を守っていたのか……その答えに近づきつつある。
艦長の判断で、明日以降さらに解析班と技術班の体制を強化し、慎重に探索を進めることが決まった。ここからは特に慎重な記録と判断が求められる段階になるだろう。
帰りに植物区画を歩いた。静かな成長の音が聞こえてきそうなほど、区画の空気は澄んでいた。こうしていつもの小さな変化を見つけることが、今の自分には必要な時間かもしれない。
未知の扉は、確実に少しずつ開きつつある。
明日も冷静に進めていきたい。
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