宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 139日目

旅の139日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、漂流船の未知空間の奥へさらに調査が進んだ。
ゼインたちのドローンが、隔壁の向こう側に密閉された部屋を発見したんだ。酸素も微量に残っていて、どうやら完全な真空ではなかったらしい。構造的には観測室のようにも見えるんだけど――そこには“何か”が残されていた。

内部には、コアのような機械装置と、その周囲を囲むように透明なケースがあって、中にはヒトのような姿があった。いや、正確に言うと“ヒトに近いもの”だ。ニューヒューマンズに似ているが、骨格や頭部の形状に若干の差異がある。まるで進化の別ルートを辿ったかのような印象だった。

ライラが即座に封鎖を指示した。生体反応は検出されなかったけど、未知の病原や反応性物質が残ってるかもしれないという懸念がある。エリスはそれを見て黙り込んでいた。あの人が言葉を失うのは、珍しい。

カイは「俺たちがここに来るのが決まってたかのようだな」と、冗談まじりに言っていたけど、僕は内心、少し背筋が冷えた。
あの存在が、この漂流船の“答え”に近いのかもしれない。あるいは、まだ何も分かっていないのかもしれない。

明日、慎重に外部ケースの解析が行われる予定だ。
それで何が分かるのか……分からない。でも、終わりに近づいてる気はする。

夜はなぜか眠れそうにない。
この宇宙には、まだ“過去”が眠っている。そんな気がしてならない。

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