宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 150日目

旅の150日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日、ついに球体の内部調査が始まった。
ゼインとエリス、それに医療班のライラが立ち会い、慎重に進められた。僕は環境制御とドローン映像の中継を担当。手順はシンプルだったけれど、誰もが息を潜めるような、異様な静けさの中で作業が進んだ。

球体の表面は、触れた者に対してある種の生体認証のような反応を示す。今朝の実験で、エリスの掌から発せられた微弱な生体電流に同調するように、球体表面がわずかに振動し、楕円形の“開口部”が形成された。
内部は、想像以上に静かだった。そして、美しかった。

ドローンが照らした先には、幾何学的に並ぶ有機的な構造体。脈動する光の繊維と、中心に配置された水晶のようなコアがあった。ゼインは「回路ではない」と言った。ライラは「これは、神経網に近い」と呟いていた。

エリスは、言葉を失ったままデータを取り続けていた。彼女の目は震えていたように見えた。僕も、胸の奥に何かが触れた感覚を覚えた。
ここにあるのは、記憶か、意志か。あるいは、その両方か――。

今日判明したのは、球体の内部には「反応を記録する層」が存在し、外部刺激を順応的に処理しているということ。つまり、単に反応しているのではなく、学習している可能性が高い。

今はまだ入口付近の調査のみ。明日以降、さらに奥へと進む予定だ。危険がないとは言い切れないけれど、それでも、僕たちはここまで来てしまった。

この宇宙に、こんなにも“理解を欲する何か”が存在していたことに、驚きと敬意を覚える。
明日もまた、目を凝らして、耳を澄ませて、球体の声を聞こう。何がそこにあるのか。
それを確かめるために、僕たちはこの旅を続けているのだから。

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