旅の154日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は一日中、漂流船の球体から取得した波紋パターンの解析が続いた。
昨日までの光と音の変換データを、さらに比較・分類していく地道な作業だ。特別な事件はなく、ただひたすら記録を見返してはパターンを並べ替える。少しでも法則を見つければ、その先に繋がる糸口になる。
集中していると時間の感覚が薄れる。ふと顔を上げると、チーム全員が同じように端末に向かって黙々と作業していた。どこか全員、疲れが溜まっているように見える。ここ数週間、緊張続きだったのだから当然だろう。
明後日は、思い切って作業を止め、丸一日を休養日に充てる予定だ。
進展は一旦ゆっくりになってもいい。この先の調査を冷静に続けるためにも、頭と心を休ませる時間は必要だ。
夜、船内の静かな通路を歩きながら考えた。
この旅は、未知に触れるための航海だけど、同時に僕たち自身をすり減らしていくものでもある。だからこそ、時々は立ち止まって呼吸を整えなければならない。
明日は、その休養日に向けた最後の準備だ。
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