旅の156日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
今日は予定通り、丸一日の休養日だった。朝は目覚ましを使わず、自然に目が覚めるまで眠った。船内でこんなにゆっくり起きたのはいつ以来だろう。
午前中は植物区画へ行き、静かな緑の中で過ごした。人工光と循環システムに支えられたこの小さな森は、船内でも数少ない「時間の流れを忘れられる場所」だ。葉に触れると、わずかに湿った感触が返ってきて、それだけで気持ちが落ち着いた。
昼は食堂で、簡単なスープと合成パン。作業の合間に慌ただしく食べるいつもの食事と違い、ゆっくり噛んで味わえた。これだけでも、体が少し軽くなる気がする。
午後は自室で古い航海記録を読み返していた。こうして何も急かされない時間を過ごすと、ここまでの航路や出来事を冷静に振り返る余裕が出てくる。漂流船のことも、球体のことも、頭の中で少し整理できた。
明日からまた調査は続く。だけど今日のこの静けさは、きっと次の一歩を踏み出すための助けになるだろう。
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