旅の157日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年
休養日を挟んだおかげで、今日は頭が驚くほど冴えていた。
作業再開初日は、まず球体から取得した波紋データの整理から。休む前にまとめておいた分類表を見直すと、以前は気づかなかったパターンがいくつか目に留まった。やはり距離を置く時間は大事だ。
特に、波紋の周期が一定のタイミングで変化している箇所があり、その変化幅が繰り返し現れている。これは単なるノイズではなく、意図的な信号の一部かもしれない。ゼインに解析を引き継ぎ、詳細な周波数分析を依頼した。
午前中はそこまで大きな変化はなかったが、午後には新しい計画が動き出した。次は、光・音だけでなく「磁場変化」を用いた応答テストを行う予定だ。もし球体が内部構造を電磁的に制御しているなら、この方法で別の層の反応を引き出せるかもしれない。
休み明けの空気は不思議だ。作業スピードが上がるだけでなく、互いのやり取りにも余裕がある。船内の雰囲気も少しだけ明るく感じられた。
やっぱり、人間は走り続けるだけでは長く持たない。今日の動きの軽さが、それを証明している気がする。
明日はいよいよ、磁場テストの初日だ。
どんな反応が返ってくるのか、少し楽しみでもある。
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