宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 159日目

旅の159日目 – 日記

地球歴2482年、星間暦元年

今日の磁場テストは、単純な強弱ではなく「パターン」を持たせて送信する方法を試みた。
短い変化を連続させたり、長い波を挟んだり――人間で言えば、モールス信号に近い実験だ。

結果は予想以上に興味深かった。球体の発光が、こちらの磁場変化に“追随”するように現れたのだ。ただの反射ではなく、数回目にはわずかに異なるリズムで応答してきた。
これは受け取った信号を加工して返している可能性が高い。つまり、一方的な刺激と反応の関係を超えている。

データ解析はまだ途中だが、今日得られた記録は間違いなく「対話の兆し」だと思う。もちろん、こちらの解釈の余地を多分に含んでいるから、慎重に進めなければならない。けれど僕の胸の内では、静かな興奮が広がっている。

夜、自室に戻ったときにふと考えた。この球体がもし、過去の文明の記憶や意志を抱えているのだとしたら――彼らが最初に伝えようとしているのは、言葉ではなく「リズム」なのかもしれない。生命の鼓動のように。

明日は一度解析班の全員で意見を出し合い、この“リズム”をどう捉えるか議論する予定だ。

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