宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 178日目

旅の178日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は久しぶりに地球からの長距離通信が届いた。
通信遅延のため、送信から受信までには数週間の時差がある。それでも、この宇宙の奥でふと届く地球からの声には、何とも言えない重みがある。

今回の通信は、残留している人々の近況報告と、政治的な不安定さに関するものだった。資源をめぐる争いが一部で再燃しているらしく、生活圏が限られている分だけ衝突も避けられないようだ。短い文面の中にも緊張がにじんでいて、胸の奥に暗い影が落ちた。

僕自身、地球に残った兄のことを思わずにはいられなかった。直接の安否に関する情報はなかったが、あの通信の向こうに兄がまだ生きていると信じたい。僕たちがこうして航路を進めているのも、残された人々の未来に繋げるためなのだから。

船内の空気は変わらない。漂流船の調査も続き、信号の解析も進んでいる。けれど、地球からの報せが一度届くだけで、心の奥では「ここ」と「そこ」が一瞬にして繋がる。
その距離を思うと同時に、今の自分の責任の重さを改めて感じた。

明日はまた漂流船への信号送信を行う予定だ。
地球の声を胸に抱えながら、この旅路の先を見据えたい。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ガドグのアバター ガドグ サブスク見直しライター

キン肉マンと特撮を愛する怪人。
よくchatGPTで遊んでいます。
1児の父という顔も持つ。

コメント

コメントする

目次