宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 179日目

旅の179日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日、漂流船への新しい信号送信を実施した。
前回の「五」に対する「六」の応答を踏まえて、今回は二つの数列を組み合わせる形を試みた。三回と四回、それぞれ間を置いて送信する。単なる連続なのか、組み合わせの理解があるのかを確かめる狙いだ。

結果は興味深いものだった。球体はまず三回を返し、その後に間を置き、四回ではなく五回の光を返した。解釈はまだ分かれそうだが、数列を「足し合わせる」ように理解している可能性がある。もしそうなら、僕たちは今、算術を介した対話を始めていることになる。

この反応を見ていると、不思議な感覚に包まれる。人類が太古の時代に石を積んで「一、二、三」と数え始めたその瞬間と、今の僕たちが繋がっているように思えた。数は言葉よりも古い普遍の言語だ。この球体がその言語を知っているのだとすれば、相手はどこかで僕たちと同じ道を歩んできた存在なのかもしれない。

明日は、この結果を整理して次の段階を検討する。
けれど、確かに一歩前に進んだ。その実感だけで、今日は少し心が軽くなった。

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