宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 185日目

旅の185日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日はケースの中の男の観測と並行して、球体の信号パターンの解析を進めた。
まず男について――昨日から見られた呼吸の兆候はさらに安定し、周期は人間の安静時に近いリズムを刻んでいた。脳波もよりはっきりとしたパターンを示し、覚醒への準備が確実に進んでいる。今はまだ眠りの中にいるが、その深さは日ごとに浅くなっている。

信号パターンの方は、これまでの数列応答を整理した結果、興味深い共通点が浮かび上がった。応答のリズムの中に、ケースから検出される脳波の周期と似た揺らぎが含まれているのだ。偶然とは思えない。
まるで球体と男の存在が「同じ基盤」で動いているかのようだ。

もしこれが正しいなら、球体の応答は単なる装置の自動反応ではなく、彼自身の状態を外部へ伝える“翻訳装置”の役割を果たしているのかもしれない。僕たちは数列やリズムを通じて、知らず知らずのうちに彼と会話をしていたことになる。

夜、自室でログを見返しながら考えた。
僕たちが球体に送った「問いかけ」は、すでに眠る彼の意識に届いていたのだろうか。そして、彼の応答は僕たちを次の段階へ導く合図だったのだろうか。

明日はケースの変化と信号の同期をさらに詳しく調べる予定だ。
二つの現象は、もはや切り離せないものになりつつある。

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