宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 264日目

旅の264日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

今日は、セリナ降下に向けた最初の大きな一歩――
先行ドローンの投入 を行った。
船内は静かだったが、その静けさは期待と緊張の混ざったものだった。
誰もが息を潜めるように、モニターの立ち上がりを見つめていた。

ドローンは予定どおり大気上層に到達し、
まずは風速、気圧、粒子密度を測定。
どれも事前の観測データとほぼ一致していて、
大気のゆらぎは驚くほど小さい。
映し出された雲の層は、ゆっくりと滑るように流れていて、
“穏やか”という言葉が自然に浮かぶ。

地表スキャンも開始された。
赤外線反射パターンは安定しており、
高熱源も、有害物質の濃度上昇も確認されない。
これほど「異常なし」を積み重ねていく作業は珍しい。
警戒は必要だが、少なくともゼオフォスのような
“何かがおかしい”という直感は、今のところ感じない。

アビスは医療区画で静かに過ごしていた。
ドローン映像を見せても、特別な反応はなし。
それがむしろ、僕には安心材料に思えた。
あくまで僕たちの調査は、科学と準備に基づくものであって、
イレギュラーな存在に左右されてはいけない。

船内に戻ると、ケイトが用意してくれた軽食の香りがした。
緊張の中でも、こうした小さな日常が救いになる。

ドローンの二次降下は明日。
セリナの地表との“本当の距離”が見えてくるはずだ。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ガドグのアバター ガドグ サブスク見直しライター

キン肉マンと特撮を愛する怪人。
よくchatGPTで遊んでいます。
1児の父という顔も持つ。

コメント

コメントする

目次