宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 276日目

旅の276日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

降下候補地の最終選定会議が行われた。
ドローンが収集したデータを全員で確認し、地形の安定性・気象の変動幅・地表組成の均質性――
どの観点でも最有力とされていた“高原帯A-3区画”が正式な降下候補として選ばれた。

ここまで順調に決まるのは珍しい。
ただ、なにも引っかからないという事実そのものが、僕にはまだ受け入れ切れない部分がある。
生命の痕跡ゼロ、大気の揺らぎほぼゼロ、放射線値の均一性……
どう考えても、自然がつくる“雑味”が足りない。
とはいえ、それを理由に調査を止めることもできない。
結局、客観データを信じるしかないのだ。

降下ポッドは明日から本格的な準備に入る。
ゼインが新たに追加した安全プロトコルのおかげで、冗長性は以前より格段に向上した。
ゼオフォスの件が彼の中でも重荷になっているのかもしれない。
僕自身もあの光景を忘れたことはない。
だからこそ慎重に、慎重すぎるほどに、準備したい。

アビスは今日、船内の植物ユニットをゆっくり見て回っていた。
ミラによれば、しばらく葉を眺めたあと、何かを思い出そうとするように目を閉じていたらしい。
ただ、彼とセリナを結びつける必要はない。
単に“見慣れた景色に似ている”というだけなのだろう。

夕食は合成魚の蒸し料理。
ミラが育てたハーブのおかげで香りが良かった。
胃が軽くなり、少し気持ちがほぐれた。

明日は降下装備の最終点検。
セリナは静かだ――ただ、それが本当に良い兆候かどうかは、
降りてみなければ分からない。

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ガドグのアバター ガドグ サブスク見直しライター

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よくchatGPTで遊んでいます。
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