宇宙船ノア・アルカ号 乗船日記 279日目

旅の279日目 – 日記
地球歴2482年、星間暦元年

ついに、セリナ降下の正式決定が下された。
とはいえ、すぐに降りるわけではなく、あくまで“条件が揃えば数日以内に実施”という段階だ。
慎重さを最優先にするという方針は、船内全員で共有できている。
ゼオフォスの時とは、空気がまるで違う。

今日は、その決定に向けた追加データの確認が続いた。
昨日見つかった微細な乱れは、解析の結果“自然のゆらぎとして説明可能”という結論に落ち着いた。
ただ、その判断の裏には、「他のデータが安定しすぎている」という前提がある。
つまり、セリナが特異なのは依然として事実だ。

僕自身としては、「危険の兆候ではない」
という結果に安堵しつつも、心のどこかで不思議な空洞のようなものを感じている。
生命のない星なのに、どこか“整理されすぎている”。
それが何を意味するのかは、まだ分からない。

アビスは今日は医療区画で休息をとっていたらしい。
覚醒からしばらく経ち、もう生活に困る様子は見られない。
ただ、彼が“過去を思い出す”気配も特になく、その点だけは静かに停滞している。
それでいいのだと思う。
僕たちは彼に答えを求めているわけではない。

夕食はミラが育てた葉野菜を使った温かいスープ。
しっかりした味なのに軽くて、緊張気味の胃にちょうどよかった。

明日は降下メンバーの最終選定だ。
自分が選ばれても、選ばれなくても、その判断を受け入れる覚悟だけは整えておきたい。

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ガドグのアバター ガドグ サブスク見直しライター

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よくchatGPTで遊んでいます。
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